行政書士として開業するときや、現在のホームページを作り直すときに、制作会社やWeb制作者への依頼を検討することがあります。

そのときに迷いやすいのが、「依頼する前に何を準備すればよいのか」という点です。

ホームページには事務所名や所在地だけでなく、取扱業務、料金、プロフィール、問い合わせ方法など、さまざまな情報を掲載します。

すべてを完成させてから相談する必要はありませんが、ある程度情報を整理しておくと、制作するホームページの方向性を決めやすくなります。

この記事では、行政書士がホームページ制作を依頼するときに準備しておきたい主な情報について解説します。

すべてを準備してから問い合わせる必要はない

ホームページ制作を依頼するときに、掲載する文章や写真などをすべて完成させてから問い合わせなければならないわけではありません。

制作を検討している段階では、

「どのようなページが必要なのか分からない」

「まだ料金を決めきれていない」

「写真を用意していない」

といったこともあるでしょう。

制作会社やWeb制作者によって対応範囲は異なりますが、相談しながら必要なページや準備する内容を整理していく場合もあります。

そのため、準備が完全に終わるまで問い合わせを先延ばしにする必要はありません。

一方で、事務所の方向性や取り扱う業務など、ホームページの土台になる情報をある程度整理しておくと、制作の相談を進めやすくなります。

事務所の基本情報を整理する

まず準備したいのが、行政書士事務所の基本情報です。

たとえば、次のような情報があります。

  • 事務所名
  • 行政書士の氏名
  • 事務所所在地
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 営業時間
  • 定休日
  • 対応地域
  • 問い合わせ方法
  • 最寄り駅やアクセス方法

すでに開業している場合には、現在使用している情報を整理しておきます。

これから開業する場合には、まだ決まっていない項目があっても構いません。

何が決まっていて、何が未定なのかを分かるようにしておくと、その後の準備を進めやすくなります。

どの業務をホームページに掲載するか決める

行政書士の業務は幅広いため、取り扱える業務をすべてホームページへ掲載する必要はありません。

たとえば、

  • 建設業許可
  • 産業廃棄物収集運搬業許可
  • 古物商許可
  • 法人関連の手続き
  • その他の許認可業務

など、実際に取り扱う業務の中から、ホームページでどの業務を案内するのか整理します。

特にホームページから相談を受けたい業務がある場合には、その業務を明確にしておくことが重要です。

「とりあえず行政書士業務全般を載せる」と考えるよりも、

「開業当初は建設業許可を中心に相談を受けたい」

「事業者向けの許認可業務を中心にしたい」

など、ある程度方向性が決まっていると、必要なページやホームページ全体の構成も考えやすくなります。

まだ完全に決められない場合には、「特に力を入れたい業務」と「そのほかに対応する業務」を分けて整理する方法もあります。

想定している相談者について考える

ホームページを作る前に、「誰からの相談を想定しているのか」も整理しておきたいところです。

たとえば建設業許可を扱う場合でも、

「これから建設業を始める事業者」

「すでに建設業を行っていて許可取得を検討している事業者」

「更新や変更などの手続きについて相談したい事業者」

など、さまざまな相談者が考えられます。

想定する相談者によって、ホームページで伝える内容も変わります。

細かな人物像まで作る必要はありません。

「どのような人・事業者から、どのような相談を受けたいのか」を簡単に説明できる程度でも、ホームページの方向性を考える材料になります。

料金が決まっていれば整理しておく

ホームページに料金を掲載する場合には、現在の料金体系を整理しておきます。

業務ごとの報酬額だけでなく、

  • どこまでが基本料金に含まれるのか
  • 別途必要になる費用があるのか
  • 個別見積もりになる業務があるのか

なども確認しておくと、料金ページを作りやすくなります。

まだ料金が決まっていない場合には、制作依頼の時点で無理に確定させる必要はありません。

ただし、料金表をホームページへ掲載する予定であれば、制作の途中で情報が必要になります。

「料金を掲載するのか」「個別見積もりとして案内するのか」だけでも考えておくとよいでしょう。

料金掲載については、行政書士のホームページに料金表は必要?掲載するメリットと注意点でも解説しています。

プロフィールに掲載する情報を整理する

行政書士のホームページでは、どのような人が相談に対応するのかを確認するためにプロフィールを見る人もいます。

プロフィールには、

  • 氏名
  • 経歴
  • 保有資格
  • 取扱分野
  • 行政書士を目指した理由
  • 仕事で大切にしていること
  • 相談者へのメッセージ

などを掲載できます。

すべてを掲載する必要はありませんが、単に氏名と資格だけを掲載するよりも、相談者が行政書士本人について知ることのできる情報があると、人柄や事務所の考え方を伝えやすくなります。

経歴などの事実だけ先に整理しておき、文章については制作を進めながら考える方法もあります。

写真を用意するか考える

行政書士本人の写真や事務所の写真をホームページに掲載するかも考えておきます。

たとえば、

  • プロフィール写真
  • 事務所内の写真
  • 建物の外観
  • 相談スペース
  • スタッフの写真

などがあります。

すべての写真が必要なわけではありません。

ただし、プロフィール写真を大きく使用するデザインなど、写真の有無によってホームページの構成やデザインが変わることがあります。

まだ撮影していない場合には、「写真を掲載したいが、これから準備する予定」と制作側へ伝えておけば、写真を入れる前提で制作を進められる場合もあります。

ロゴや既存のデザイン資料があれば共有する

すでに事務所のロゴや名刺などを作成している場合には、制作側へ共有します。

ロゴの色やデザインが決まっていれば、それに合わせてホームページ全体の雰囲気を考えることもできます。

また、

  • 名刺
  • パンフレット
  • 事務所案内
  • チラシ
  • 既存ホームページ

などがある場合にも、参考資料として役立つことがあります。

新しくホームページを作るからといって、これまで使用してきたデザインや資料をすべて捨てて一から考える必要はありません。

事務所としてすでに使用しているものがあれば、制作を依頼するときに伝えておきましょう。

参考にしたいホームページを探しておく

制作を依頼するときに、参考にしたいホームページをいくつか探しておくのも有効です。

行政書士事務所のホームページに限る必要はありません。

たとえば、

「このサイトの落ち着いた雰囲気が好き」

「このページのように業務を分かりやすく見せたい」

「このような色合いは避けたい」

など、具体的な例があると好みを伝えやすくなります。

ただし、参考サイトとまったく同じデザインにするためではありません。

どの部分を参考にしたいのかを伝えるための資料として使います。

好きなホームページだけでなく、「こういう雰囲気にはしたくない」という例がある場合も、方向性を共有する材料になります。

必要なページを考えておく

ホームページにどのようなページを作るのかも、制作前に考える項目のひとつです。

たとえば、

  • トップページ
  • 取扱業務
  • 各業務の詳細ページ
  • 料金
  • 行政書士プロフィール
  • 事務所概要
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • お知らせ・ブログ

などが考えられます。

ただし、依頼する側でページ構成を完全に決める必要はありません。

「このページが絶対に必要」と考えているものがあれば伝え、それ以外については制作側と相談しながら決める方法もあります。

特に初めてホームページを作る場合には、何ページ必要なのか判断しにくいこともあります。

その場合には、取扱業務やホームページの目的を伝えたうえで、必要な構成を相談するとよいでしょう。

原稿を誰が用意するのか確認する

ホームページ制作では、デザインやコーディングだけでなく、掲載する文章も必要になります。

ここで確認しておきたいのが、原稿を誰が作成するのかという点です。

制作サービスによって、

「依頼者が完成した原稿を用意する」

「ヒアリングした内容をもとに制作側が文章を整える」

「ライターが別途原稿を作成する」

など、対応方法が異なります。

そのため、見積もりや契約の前に、原稿作成が制作費に含まれているのかを確認しておくことが大切です。

自分で原稿を書く場合にも、どのページにどの程度の文章が必要なのか分からなければ、制作側へ確認してから準備した方が進めやすいでしょう。

ドメインやサーバーの状況を確認する

ホームページを公開するためには、ドメインやサーバーも必要になります。

すでにホームページを持っている場合には、

  • 現在使用しているドメイン
  • レンタルサーバー
  • WordPressの有無
  • 管理画面へのログイン情報を管理している人
  • 現在ホームページを管理している会社

などを確認しておきます。

新規開業でまだ何も契約していない場合には、そのことを制作側へ伝えます。

制作会社やWeb制作者によって、ドメイン・サーバーの契約をどこまでサポートするかは異なるため、契約前に確認しておきましょう。

なお、契約名義や料金の支払いを誰が行うのかについても確認しておくことが大切です。

希望する公開時期を伝える

ホームページをいつまでに公開したいのかも、制作を依頼するときに伝えたい情報です。

たとえば、

「開業日に合わせて公開したい」

「事務所移転に合わせてリニューアルしたい」

「特に期限は決めていない」

などです。

希望日がある場合には、できるだけ早い段階で伝えましょう。

ホームページ制作では、制作作業だけでなく、原稿や写真の準備、内容の確認、修正などにも時間がかかります。

依頼したらすぐに完成するとは限らないため、明確な期限がある場合には余裕を持って相談することが大切です。

予算の目安があれば伝える

ホームページ制作に使える予算が決まっている場合には、相談時に伝える方法もあります。

ホームページは、ページ数やデザイン、機能、原稿作成の有無などによって制作費が変わります。

そのため、予算がある程度決まっていれば、その範囲でどのようなホームページを作れるのか相談しやすくなります。

予算を伝えたからといって、必ずその金額いっぱいの見積もりになるという意味ではありません。

制作内容と費用のバランスを検討するための条件のひとつとして考えましょう。

ホームページ制作費用については、行政書士のホームページ制作費用はいくら?相場と料金の違いを解説でも解説しています。

制作会社やWeb制作者によって必要なものは異なる

ここまで紹介した内容は、ホームページ制作を依頼するときに準備を検討したい一般的な情報です。

実際に何を用意する必要があるのかは、依頼する制作会社やWeb制作者によって異なります。

原稿まで作成してくれるところもあれば、完成原稿の支給を前提としているところもあります。

写真撮影、ロゴ制作、サーバー設定、公開後の保守などについても、対応範囲はさまざまです。

そのため、依頼先を検討するときには、料金だけでなく「何をどこまで対応してもらえるのか」を確認しましょう。

準備するものが分からない場合には、最初の問い合わせ時に「現在ここまで決まっている」と伝え、残りの準備について確認する方法でも問題ありません。

まとめ

行政書士がホームページ制作を依頼するときには、事務所情報、取扱業務、料金、プロフィール、写真など、ホームページに掲載するためのさまざまな情報が必要になります。

ただし、すべてを完成させてから制作会社やWeb制作者へ問い合わせる必要はありません。

まずは、

  • どのような業務を掲載したいのか
  • どのような相談者を想定しているのか
  • いつごろ公開したいのか
  • すでに準備できているものは何か
  • まだ決まっていないものは何か

といったことを整理するだけでも、制作の相談を始めやすくなります。

また、原稿作成、写真、ロゴ、ドメイン・サーバーなどをどこまで準備する必要があるかは、依頼先によって異なります。

分からないものを無理に自分だけで決めるのではなく、現在の状況を伝えたうえで、必要なものを確認しながら制作を進めることもできます。

ホームページ制作を検討し始めた段階で、まず「決まっていること」と「まだ決まっていないこと」を整理してみましょう。