行政書士がSEO対策に取り組むときは、すべての取扱業務を同じ考え方で対策するのではなく、業務ごとに検索する人の目的を考えることが重要です。

建設業許可について調べる人と、相続や在留資格について調べる人では、置かれている状況や知りたい情報が異なります。

そのため、「行政書士」という大きなキーワードだけを見るのではなく、自分が集客したい業務を起点として、そこから検索キーワードや必要なページを考えていく方法があります。

この記事では、行政書士のSEO対策を業務別に考える方法について、建設業許可・相続・在留資格などを例に解説します。

行政書士のSEOは業務ごとに考えることが重要

行政書士が取り扱える業務は幅広く、ホームページを訪れる人の目的もさまざまです。

たとえば、「行政書士」と検索する人だけを考えるのではなく、

  • 建設業許可を取得したい事業者
  • 相続手続きについて調べている人
  • 在留資格の申請について知りたい人
  • 飲食店営業などの許認可について調べている人

など、それぞれの業務を必要としている人がどのように検索するのかを考えます。

同じ行政書士事務所のホームページでも、業務が違えば検索されるキーワードや必要な情報も変わります。

行政書士のSEO対策全体については、行政書士のホームページにSEO対策は必要?基本的な考え方と対策を解説で解説しています。

最初に集客したい業務を整理する

業務別SEOを考える前に、まず「どの業務からの相談を増やしたいのか」を整理します。

取り扱っている業務をすべて同じ優先順位で対策しようとすると、必要なページや記事が多くなり、どこから手を付ければよいのか分かりにくくなります。

たとえば、建設業許可を中心に受任したいのであれば、まず建設業許可に関する業務ページや関連する記事を充実させるという考え方ができます。

相続を中心にしたいのであれば、相続に関する検索を調べ、必要なコンテンツを増やしていきます。

POINT

業務別SEOでは、「検索されそうなキーワードをたくさん探す」ことから始めるのではなく、「どの業務の相談につなげたいのか」を決め、その業務を必要とする人の検索を考えることが基本です。

業務によって検索する人の状況は異なる

業務ごとの違いを考えるときは、キーワードだけでなく、その言葉を検索している人の状況にも注目します。

たとえば、次のような違いが考えられます。

業務検索する人の例検索されるテーマの例
建設業許可許可取得や更新を考えている事業者要件、必要書類、費用、期間、更新
相続相続手続きが必要になった個人手続き、必要書類、遺産分割協議書、費用
在留資格在留資格の取得・変更・更新を考えている人や企業申請条件、必要書類、変更、更新、期間
飲食店などの許認可開業や新規事業を予定している事業者許可の種類、要件、必要書類、申請時期

同じ「必要書類」や「費用」という切り口でも、対象となる業務が違えば検索する人の目的は変わります。

そのため、業務名だけを入れ替えて同じ構成の記事を大量に作るのではなく、それぞれの業務で実際に必要とされる情報を考えることが大切です。

建設業許可のSEO対策を考える場合

建設業許可は、行政書士が扱う代表的な許認可業務の一つです。

SEOを考える場合も、「建設業許可」という言葉だけではなく、その前後にある具体的な疑問を考えます。

たとえば、

  • 建設業許可を取得するための要件
  • 申請に必要な書類
  • 許可取得までにかかる期間
  • 新規申請にかかる費用
  • 更新の時期や手続き
  • 変更があった場合の届出

などがあります。

さらに、実際に業務を行う地域によって検索需要がある場合は、地域名との組み合わせを検討することもできます。

建設業許可についてホームページから集客する考え方は、行政書士のホームページで「建設業許可」を集客するには?ページの作り方を解説でも詳しく解説しています。

相続のSEO対策を考える場合

相続では、建設業許可とは検索する人の状況が大きく異なります。

事業者が許可取得のために調べているケースとは違い、相続が発生して初めて手続きについて調べ始める人もいます。

たとえば、

  • 相続では何から始めればよいのか
  • どのような書類が必要なのか
  • 遺産分割協議書とは何か
  • 行政書士には何を依頼できるのか
  • 自分で手続きできるのか
  • 費用はどのくらいかかるのか

など、手続きそのものを理解するための検索が考えられます。

そのため、専門用語だけを使って説明するのではなく、初めて相続手続きを経験する人にも分かる内容にすることが重要です。

また、相続には行政書士だけでは対応できない手続きが関係する場合もあります。ホームページやブログで説明する際には、行政書士が対応できる範囲を明確にし、他士業の独占業務に当たる内容について誤解を与えないよう注意する必要があります。

在留資格のSEO対策を考える場合

在留資格についても、申請する人の状況によって検索内容が変わります。

たとえば、

  • 在留資格を新しく取得したい
  • 現在の在留資格を変更したい
  • 在留期間を更新したい
  • 外国人を雇用したい

など、目的によって必要な情報が異なります。

そのため、「在留資格について解説」という一つの大きなページだけですべてを扱うより、実際の取扱業務や検索する人の目的に合わせて情報を整理する方法があります。

また、対象となる人によっては、日本語以外で情報を探している可能性もあります。

多言語対応が必要かどうかは事務所の方針や対象とする顧客によって異なりますが、誰に向けて情報を発信するのかという点は、他の業務以上に意識しておきたいポイントです。

業務名に関連するキーワードを広げて考える

集客したい業務が決まったら、その業務名を起点に検索キーワードを考えます。

たとえば建設業許可であれば、

「建設業許可」
↓
「建設業許可 必要書類」
「建設業許可 要件」
「建設業許可 費用」
「建設業許可 更新」
「建設業許可 地域名」

というように、検索する人が知りたい内容へ広げることができます。

さらに「更新」であれば、

「建設業許可 更新 必要書類」
「建設業許可 更新 期限」
「建設業許可 更新 いつから」

など、より具体的な疑問へつながることもあります。

ただし、考えられる組み合わせをすべて記事にすればよいわけではありません。

検索意図がほぼ同じキーワードであれば、一つの記事でまとめて回答できる場合もあります。

キーワード選定の基本については、行政書士のホームページで狙うキーワードは?SEOキーワードの決め方を解説も参考にしてください。

業務ページとブログ記事を組み合わせる

業務別SEOでは、ブログ記事だけを増やすのではなく、相談につなげるための業務ページとの関係も考えます。

たとえば建設業許可なら、

「建設業許可」という中心となる業務ページを用意し、その周囲に、

  • 取得要件を解説する記事
  • 必要書類を解説する記事
  • 更新について解説する記事
  • 費用について解説する記事

などを配置する考え方があります。

検索から個別の記事を訪れた人が、さらに詳しいサービス内容を知りたい場合に業務ページへ移動できるようにしておけば、サイト内で情報を探しやすくなります。

反対に、業務ページから詳しい解説記事へ案内することもできます。

業務ページの作り方については、行政書士のホームページに載せる業務ページの作り方|問い合わせにつながる構成を解説で解説しています。

ブログSEOとも組み合わせて考える

業務別SEOを進めるうえでは、ブログの使い方も重要です。

業務ページだけでは説明しきれない具体的な疑問をブログ記事で扱うことで、さまざまな検索からホームページへ入ってもらえる可能性があります。

たとえば建設業許可の業務ページに対して、「更新に必要な書類」「許可取得までの期間」などの記事を用意するイメージです。

ブログの記事テーマやキーワードの考え方については、行政書士ブログのSEO対策|検索される記事テーマとキーワードの考え方で詳しく解説しています。

地域名との組み合わせも検討する

行政書士の業務では、業務名と地域名を組み合わせた検索も考えられます。

たとえば、

「横浜 建設業許可 行政書士」
「神奈川 建設業許可 行政書士」

などです。

ただし、地域名をタイトルや本文へ入れるだけで上位表示できるわけではありません。

実際にその地域でサービスを提供していることや、その地域の利用者にとって必要な情報が掲載されていることが重要です。

また、対応地域を広げすぎると、サイトを見た人が「自分の地域に対応しているのか」を判断しにくくなることもあります。

地域SEOについては、行政書士のホームページで地域名を入れるSEO対策|「行政書士+地域名」を狙う方法で詳しく解説しています。

公開後の検索データから次の業務・テーマを考える

どの業務やキーワードに検索需要があるのかを、最初から完全に予測することは難しいものです。

そこで、ページや記事を公開した後はGoogle Search Consoleなどを使い、実際にどのような検索で表示されているのかを確認します。

たとえば、建設業許可に関する記事をいくつか公開した結果、

「建設業許可 更新」
「建設業許可 必要書類」

などの検索で表示され始めたのであれば、その周辺にどのような疑問があるのかをさらに調べる材料になります。

一方で、ほとんど表示されていないテーマについては、ページの内容やキーワードの選び方を見直す判断もできます。

最初からすべての業務について大量の記事を作るのではなく、公開したページの反応を確認しながら、必要なテーマを深掘りしていく方法もあります。

業務を細かく分けすぎないことも大切

業務別SEOを意識すると、できるだけ細かくページを作った方がよいように感じるかもしれません。

しかし、検索意図がほとんど同じ内容を細かく分割すると、似たページが増えてしまうことがあります。

たとえば、二つのキーワードが違っていても、検索している人が知りたい内容がほぼ同じであれば、一つの記事でまとめて説明した方が分かりやすい場合があります。

重要なのはキーワードの数ではなく、それぞれのページに明確な役割があるかどうかです。

業務名、検索する人の状況、知りたい内容を整理しながら、必要な単位でページや記事を作っていきましょう。

まとめ

行政書士のSEO対策では、「行政書士」という大きなテーマだけではなく、実際に集客したい業務ごとに検索する人の目的を考えることが重要です。

建設業許可、相続、在留資格などでは、検索する人の状況も知りたい情報も異なります。

まずは自分が力を入れたい業務を整理し、その業務について検索する人が抱える疑問を考えます。そのうえで、業務ページとブログ記事を組み合わせながら必要な情報を増やしていく方法があります。

公開後はSearch Consoleなどのデータも確認し、検索結果に表示され始めたテーマがあれば、その周辺をさらに深掘りすることもできます。

すべての業務を一度に対策するのではなく、集客したい業務を起点に、検索する人が必要としている情報を少しずつ広げていくことが、行政書士の業務別SEOを考える基本です。