行政書士のホームページでは、「どのような業務に対応しているのか」を伝える業務ページが重要な役割を持ちます。
建設業許可、会社設立、各種許認可など、取扱業務の名前だけを一覧にしていても、ホームページを訪れた人が「自分の相談をお願いできるのか」まで判断できるとは限りません。
業務ページでは、手続きの説明だけでなく、「誰に向けたサービスなのか」「どのような悩みに対応できるのか」「依頼すると何をしてもらえるのか」まで分かりやすく伝えることが大切です。
この記事では、行政書士のホームページに載せる業務ページの基本的な考え方と、問い合わせにつなげるための構成について解説します。
行政書士のホームページにおける業務ページとは
業務ページとは、行政書士事務所が取り扱っている業務について詳しく説明するページです。
たとえば、建設業許可を取り扱っている場合には、「建設業許可」という名称だけを掲載するのではなく、許可取得を検討している人に向けて、サービス内容や相談の流れ、料金などを説明します。
行政書士の業務は専門性が高いため、依頼を検討している人自身が「自分にはどの手続きが必要なのか」を正確に理解していない場合もあります。
そのため業務ページには、制度を説明するだけでなく、相談者が「これは自分に関係する内容だ」と判断できる情報を用意することが重要です。
ホームページ全体にどのような情報を掲載するかについては、行政書士のホームページに必要な内容は?掲載しておきたいページ・情報を解説でも解説しています。
取扱業務を一覧にするだけでは伝わりにくい
行政書士事務所のホームページでは、トップページなどに取扱業務を一覧で掲載することがあります。
これは必要な情報ですが、一覧だけでは十分とは限りません。
たとえば、
- 建設業許可
- 産業廃棄物収集運搬業許可
- 飲食店営業許可
- 法人設立サポート
と掲載されていても、初めて行政書士に相談する人には、具体的に何を依頼できるのか分からないことがあります。
特に行政手続きに詳しくない人は、業務名そのものではなく、「これから建設業を始めたい」「許可の更新時期が近づいている」「申請書類の準備が分からない」といった悩みから情報を探していることもあります。
業務ページでは、こうした相談者側の視点から内容を組み立てることが大切です。
業務ページでは最初に「誰のためのページか」を伝える
業務ページを開いたときに、最初から制度の詳しい説明が続くと、訪問者は自分に関係するページなのか判断しにくくなります。
そのため、ページの冒頭では対象となる人や相談内容を分かりやすく示します。
たとえば建設業許可であれば、
- 建設業を始めるために許可が必要か確認したい
- 新規で建設業許可を取得したい
- 許可の更新について相談したい
- 業種追加を検討している
- 必要書類や申請方法が分からない
といった内容です。
訪問者が自分の状況に近い項目を見つけられれば、その先の内容も読んでもらいやすくなります。
業務内容と対応範囲を具体的にする
次に、その行政書士事務所が何をサポートしているのかを説明します。
同じ業務名を掲げていても、事務所によって対応範囲が同じとは限りません。
たとえば、相談から書類作成、申請手続きまで対応するのか、特定の手続きのみを扱うのかなど、できるだけ具体的に示しておくと依頼者が判断しやすくなります。
ここで重要なのは、実際に対応している範囲を正確に掲載することです。
対応していない業務まで幅広く見せるのではなく、自分の事務所で提供できるサービスを明確に伝えます。
取扱業務をどこまで絞るかについては、行政書士のホームページは業務を絞るべき?専門特化するメリット・デメリットも参考にしてください。
手続きについて必要な範囲で説明する
業務ページには、その手続きについての基本的な説明も必要です。
ただし、制度について詳しく説明すること自体が目的にならないよう注意します。
依頼を検討している人が知りたいのは、たとえば次のような情報です。
- どのような場合に手続きが必要なのか
- 主な要件は何か
- どのような書類が必要になるのか
- 手続きにはどの程度の期間がかかるのか
- 自分で準備するものは何か
必要な情報量は業務によって異なります。
複雑な制度をすべて1ページに詰め込むよりも、依頼を検討するために必要な情報を優先して掲載すると読みやすくなります。
また、法令や制度、必要書類などは変更される可能性があるため、公開後も内容を確認し、必要に応じて更新することが大切です。
料金の目安を確認できるようにする
依頼を検討する人にとって、料金は重要な判断材料のひとつです。
料金を公開できる業務であれば、業務ページから確認できるようにしておくと分かりやすくなります。
ページ内に料金を掲載する方法のほか、料金ページを別に用意してリンクする方法もあります。
追加費用が発生する条件や、実費が別途必要になる場合などがあれば、その点も分かるようにしておきます。
料金の掲載方法については、行政書士のホームページに料金表は必要?掲載するメリットと注意点で詳しく解説しています。
依頼から手続きまでの流れを見せる
初めて行政書士へ依頼する人は、「問い合わせた後に何が起こるのか」が分からないことがあります。
そこで、業務ページに依頼の流れを掲載しておくと安心して問い合わせやすくなります。
たとえば、
- お問い合わせ
- ヒアリング・相談
- 見積もり
- 正式な依頼
- 必要書類の準備
- 書類作成・申請
- 手続き完了
といった流れです。
実際の進め方は業務や事務所によって異なるため、自分の事務所の対応方法に合わせて作成します。
よくある疑問を解消しておく
業務によっては、依頼前によく聞かれる質問をページ内に掲載するのも有効です。
たとえば、「相談だけでも可能ですか」「対応地域はどこまでですか」「何を準備すればよいですか」など、実際に相談者が疑問に感じやすい内容です。
すべての業務ページに同じFAQを置く必要はありません。
その業務について問い合わせ前に確認されやすい内容がある場合に、必要なものだけ掲載します。
ホームページ全体のFAQについては、行政書士のホームページにFAQは必要?よくある質問の作り方でも詳しく解説しています。
問い合わせ方法を分かりやすくする
業務内容を理解して「相談してみたい」と思っても、問い合わせ方法が分かりにくければ、そのままページを離れてしまう可能性があります。
業務ページの最後など、内容を読んだ後に自然に行動できる場所に問い合わせへの導線を用意します。
お問い合わせフォーム、電話、相談予約など、実際に受け付けている方法を分かりやすく案内しましょう。
問い合わせフォームを用意する場合の項目については、行政書士のホームページのお問い合わせフォームに必要な項目は?で解説しています。
業務ごとにページを分ける方法もある
複数の業務を扱っている場合、すべてを1ページにまとめる方法と、業務ごとにページを分ける方法があります。
たとえば、
- 建設業許可
- 産業廃棄物収集運搬業許可
- 宅建業免許
など、それぞれ説明する内容が多い場合には、個別のページを用意した方が情報を整理しやすくなります。
一方で、開業時から大量のページを作る必要があるとは限りません。
まずは力を入れたい業務からページを作り、必要に応じて増やしていく方法もあります。
ページ数を考える際には、単純な数ではなく、訪問者が必要な情報を見つけやすい構成になっているかを基準に考えることが大切です。
業務ページはSEOだけを目的に作らない
業務ごとにページを作ることは、検索エンジンからホームページを見つけてもらうためにも役立ちます。
しかし、検索キーワードを入れることだけを目的に、似た内容のページを大量に作るのは避けた方がよいでしょう。
業務ページの本来の役割は、その業務について知りたい人に必要な情報を提供し、相談先を判断できるようにすることです。
「どのような人が対象なのか」「何を依頼できるのか」「依頼するとどのように進むのか」といった情報を丁寧に整理した結果として、検索にも対応しやすいページになります。
まとめ
行政書士の業務ページでは、業務名や制度の説明だけでなく、相談者が依頼を判断するための情報を分かりやすく整理することが大切です。
特に、
- どのような人を対象としているのか
- どのような相談に対応しているのか
- 何を依頼できるのか
- 手続きはどのように進むのか
- 料金はいくらなのか
- どのように問い合わせればよいのか
といった内容が判断材料になります。
すべての業務ページを同じ型に当てはめる必要はありません。取り扱う業務や相談者が必要とする情報に合わせて、必要な項目を選んで構成することが重要です。
ホームページをこれから制作する場合は、まず力を入れたい業務を整理し、その業務を必要としている人が「自分のことだ」と理解できるページから作っていきましょう。