行政書士のホームページを作るとき、意外と迷いやすいのがプロフィールです。

氏名や経歴、資格だけを掲載すればよいのか、それとも開業した理由や仕事への考え方まで書いた方がよいのか、判断しにくいこともあるでしょう。

行政書士への依頼を検討している人にとって、プロフィールは単なる自己紹介ではありません。

「どのような人が対応するのか」「自分の相談を任せられそうか」を判断するための情報の一つです。

そのため、経歴を長く並べることよりも、相談者が知りたい情報を分かりやすく伝えることが大切です。

この記事では、行政書士のホームページに掲載するプロフィールの基本的な内容や書き方、開業直後の場合の考え方について解説します。

行政書士のホームページでプロフィールが重要な理由

行政書士のホームページでは、業務内容や料金だけでなく、「誰が対応するのか」も依頼先を検討する材料になります。

特に一人で運営している行政書士事務所では、行政書士本人の印象がそのまま事務所の印象につながることもあります。

たとえば同じ業務を扱っている複数の事務所を比較している場合、取扱業務や料金だけでは違いが分かりにくいことがあります。

そのようなときに、

  • どのような経歴があるのか
  • どの業務に力を入れているのか
  • なぜ行政書士になったのか
  • 相談者への対応で何を大切にしているのか

といった情報があれば、事務所の特徴を知る材料になります。

プロフィールは、自分を良く見せるためだけに作るものではありません。

相談者が「この人に相談してみよう」と判断するために必要な情報を提供することが大切です。

プロフィールに掲載したい基本情報

行政書士のプロフィールに何を書くか迷った場合は、まず基本的な情報から整理してみましょう。

たとえば、次のような内容があります。

項目内容の例
氏名行政書士本人の氏名
所属所属する行政書士会など
取扱業務主に対応している業務
対応地域主な対応エリア
経歴これまでの職歴や経験
保有資格業務に関連する資格など
開業の経緯行政書士になった理由や開業した背景
仕事への考え方相談者への対応で大切にしていること

すべてを詳しく書かなければならないわけではありません。

事務所の特徴や取り扱っている業務に合わせて、依頼者にとって判断材料になる情報を選びます。

行政書士のホームページ全体に掲載しておきたい情報については、行政書士のホームページに必要な内容は?掲載しておきたいページ・情報を解説でも解説しています。

経歴は業務とのつながりを意識して書く

プロフィールでは、これまでの経歴を掲載することがあります。

ただし、過去の経歴をすべて細かく並べればよいとは限りません。

依頼を検討している人にとって重要なのは、その経験が現在の行政書士業務とどのようにつながっているのかという点です。

たとえば、以前に建設業界で働いていた行政書士が建設業許可を扱っているのであれば、その経験は事務所の特徴を伝える材料になる可能性があります。

企業で法務や許認可に関係する仕事を経験していたのであれば、現在の業務とのつながりを説明する方法もあります。

一方、現在の取扱業務と直接関係しない経歴を無理に結びつける必要はありません。

事実をそのまま並べるだけではなく、「その経験が現在の仕事にどう生かされているのか」を説明できる場合に補足すると分かりやすくなります。

「なぜこの業務を扱っているのか」を伝える

特定の業務に力を入れている場合は、その理由をプロフィールに入れる方法があります。

たとえば、

  • 前職で関連する業界に携わっていた
  • 自身の経験から困っている人を支援したいと考えた
  • 開業時から継続して取り組んでいる
  • 特定の分野について継続的に学んでいる

など、その行政書士によって理由は異なります。

理由があることで、単に「○○業務を取り扱っています」と掲載するよりも、なぜその業務を主力としているのかを伝えやすくなります。

もちろん、無理に特別なエピソードを作る必要はありません。

明確な理由がない場合は、現在どのような業務に取り組んでいるのかを事実に基づいて伝えれば十分です。

主力業務の見せ方については、行政書士のホームページは業務を絞るべき?専門特化するメリット・デメリットも参考にしてください。

仕事への考え方を具体的にする

プロフィールに「丁寧な対応を心がけています」「お客様に寄り添います」と書くこともできます。

ただし、このような表現だけでは、ほかの事務所との違いが伝わりにくい場合があります。

可能であれば、何をもって「丁寧な対応」としているのかまで具体的にすると伝わりやすくなります。

たとえば、

「専門用語をできるだけ使わず、手続きの流れを分かりやすく説明する」

「問い合わせに対して、次に何を準備すればよいのかまで伝える」

「相談内容を確認したうえで、対応できることとできないことを明確にする」

などです。

抽象的な言葉を使ってはいけないわけではありません。

その言葉を実際の対応に置き換えるとどうなるのかを考えてみると、事務所の姿勢を伝えやすくなります。

POINT

「親切」「丁寧」「迅速」といった言葉だけで終わらせず、実際にどのような対応をするのかまで説明すると、プロフィールの内容が具体的になります。

プロフィールは相談者が知りたい順番でまとめる

プロフィールを書くと、自分の経歴を古い順から詳しく説明したくなることがあります。

しかし、ホームページでは必ずしも履歴書のような順番で書く必要はありません。

たとえば、

  1. 現在どのような行政書士なのか
  2. 主に扱っている業務
  3. これまでの経歴や経験
  4. その業務に取り組む理由
  5. 仕事で大切にしていること
  6. 相談者へのメッセージ

という順番にすると、現在の事務所について理解してから背景を読んでもらえます。

プロフィールの冒頭で「何をしている行政書士なのか」が分かれば、長い経歴をすべて読まなくても事務所の特徴を把握できます。

長すぎる自己紹介にしない

プロフィールを充実させようとして、自己紹介が長くなりすぎることもあります。

経歴や開業までのストーリーを詳しく書くこと自体が悪いわけではありませんが、依頼者が知りたい情報が途中に埋もれてしまわないよう注意が必要です。

特にプロフィールの最初では、

  • どの業務を扱っているのか
  • どの地域に対応しているのか
  • どのような経験があるのか
  • どのような姿勢で対応しているのか

といった情報を把握しやすくしておくとよいでしょう。

詳しい経歴や開業までのストーリーを伝えたい場合は、基本プロフィールとは分けて掲載する方法もあります。

趣味やプライベートな情報は必要?

プロフィールに趣味や出身地などを掲載すると、人柄を伝えやすくなる場合があります。

たとえば、

  • 出身地
  • 趣味
  • 好きなこと
  • 地域との関わり

などです。

こうした情報は必須ではありません。

行政書士としての情報よりもプライベートな内容が目立ってしまうと、何を相談できる事務所なのか分かりにくくなる可能性もあります。

まずは取扱業務や経歴、仕事への考え方など、依頼先を判断するための情報を優先し、そのうえで人柄を補足する情報として加えると整理しやすくなります。

開業直後で経歴や実績が少ない場合はどうする?

開業直後の場合、「行政書士として書ける経歴がほとんどない」と感じることもあるでしょう。

しかし、プロフィールを充実させるために、実績を多く見せる必要はありません。

開業したばかりであれば、

  • どの業務を中心に取り組んでいるのか
  • なぜその業務を選んだのか
  • どの地域を対象としているのか
  • 相談者への対応で何を大切にするのか
  • 今後どのような事務所にしていきたいのか

など、現在伝えられる情報があります。

行政書士になる前の経歴に現在の業務と関連する経験があれば、それを紹介することもできます。

一方、実際には経験していない業務について、経験があるように見せることは避けるべきです。

開業直後で実績が少ない場合のホームページの見せ方については、行政書士のホームページに実績はどう載せる?開業直後で実績が少ない場合も解説でも詳しく解説しています。

顔写真とプロフィールは別々に考えない

プロフィール文章と顔写真は、それぞれ単独で考えるのではなく、ホームページ全体の印象に合わせることも大切です。

たとえば文章では「気軽に相談できる事務所」を打ち出しているのに、写真やデザインが極端に堅い印象であれば、受け取るイメージに差が生まれる場合があります。

反対に、法人向けの許認可業務を中心に扱い、専門性や落ち着いた印象を重視するのであれば、それに合った文章や写真を使用する方法があります。

顔写真を掲載するメリットや写真選びについては、行政書士のホームページに顔写真は必要?信頼感を高めるプロフィールの作り方で解説しています。

プロフィール文章、写真、ホームページのデザインを通して、事務所として伝えたい印象が大きくずれないようにしましょう。

プロフィールで避けたい書き方

プロフィールを作るときは、自分を良く見せることだけを目的にしないことが大切です。

特に、

  • 実際にはない経験や実績を掲載する
  • 根拠のない「専門家」「実績豊富」などの表現を使う
  • 経歴を必要以上に良く見せる
  • 相談者に関係のない自己紹介が長く続く
  • 取扱業務がプロフィールから分からない

といった状態は避けましょう。

プロフィールの役割は、自分を大きく見せることではありません。

現在の経験や取扱業務、仕事への考え方を正確に伝え、その情報をもとに相談者が依頼先を判断できるようにすることが重要です。

プロフィールを書いたら第三者の視点で読み直す

プロフィールを書き終えたら、自分のことを知らない人になったつもりで読み直してみましょう。

確認したいのは、

  • 何を扱っている行政書士なのか分かるか
  • どのような人なのかイメージできるか
  • 経歴と現在の業務の関係が分かるか
  • 仕事への考え方が具体的に伝わるか
  • 相談するために必要な情報へ進めるか

といった点です。

自分では当たり前だと思っている情報が、初めてホームページを見る人には伝わっていないこともあります。

プロフィール単体だけでなく、業務ページや料金、問い合わせページなどとのつながりも確認しておきましょう。

まとめ|プロフィールは相談者の判断材料として作る

行政書士のホームページに掲載するプロフィールは、単なる経歴紹介ではありません。

依頼を検討している人が、「何を相談できる行政書士なのか」「どのような考え方で対応しているのか」を知るための情報です。

氏名や所属、経歴、資格などの基本情報に加えて、主力業務やその業務に取り組む理由、仕事で大切にしていることなどを整理すると、行政書士本人について伝えやすくなります。

開業直後で実績が少なくても、無理に経験を大きく見せる必要はありません。

現在取り組んでいる業務や仕事への姿勢を事実に基づいて伝え、相談者が「誰に依頼するのか」を判断できるプロフィールを作りましょう。