行政書士のホームページを見て相談先を探している人にとって、「実際に依頼した人がどう感じたのか」は気になる情報のひとつです。
そのため、ホームページに「お客様の声」「ご依頼者様の声」などを掲載している行政書士事務所もあります。
一方で、行政書士への相談には個人的な事情や事業に関する情報が含まれることもあり、依頼者の声を自由に掲載してよいわけではありません。
また、開業直後でまだ掲載できる声がない場合もあるでしょう。
この記事では、行政書士のホームページにお客様の声を掲載するメリットや掲載方法、注意しておきたいポイントについて解説します。
行政書士のホームページに「お客様の声」は必須ではない
行政書士のホームページに、お客様の声を必ず掲載しなければならないわけではありません。
お客様の声がなくても、取扱業務、料金、プロフィール、事務所情報などを分かりやすく掲載することで、相談先を検討するための情報を提供できます。
特に開業したばかりの時期には、ホームページへ掲載できる依頼者の声がまだないことも珍しくありません。
そのため、お客様の声を用意することを優先してホームページ公開を遅らせる必要はありません。
まずは事務所やサービスについて必要な情報を掲載し、実際の依頼が増えてからお客様の声を追加していく方法もあります。
お客様の声は相談先を選ぶための判断材料になる
行政書士へ初めて相談する人は、
「どのような行政書士なのか」
「相談しやすいのか」
「どのように対応してもらえるのか」
といった不安を持っていることがあります。
事務所側からサービスについて説明するだけでなく、実際に依頼した人の感想が掲載されていれば、相談先を検討するときの判断材料のひとつになります。
たとえば、
- 説明が分かりやすかった
- 相談に丁寧に対応してもらえた
- 手続きの流れを理解できた
- 連絡がスムーズだった
など、実際に依頼した人だからこそ伝えられる内容があります。
ただし、お客様の声だけで信頼が決まるわけではありません。
プロフィール、料金、業務内容、事務所情報などと合わせて、事務所について判断するための情報のひとつとして考えるとよいでしょう。
「良かったです」だけでは内容が伝わりにくい
お客様の声を掲載する場合、短い感想だけでは具体的な内容が伝わりにくいことがあります。
たとえば、
「とても良かったです」
「ありがとうございました」
だけでは、何を依頼し、どのような点が良かったのかが分かりません。
可能であれば、
- どのようなことで困っていたのか
- 何の業務を依頼したのか
- 依頼前に不安だったこと
- 行政書士の対応について感じたこと
- 依頼後にどのように感じたのか
などを聞いておくと、これから相談を考えている人にも状況が伝わりやすくなります。
すべての質問に答えてもらう必要はありません。
依頼者の負担にならない範囲で、実際の経験が分かる内容を集めることが大切です。
お客様の声を集める方法
依頼が完了した後などに、掲載可能な感想をお願いする方法があります。
たとえば、
- アンケートフォーム
- メール
- 紙のアンケート
- 面談時のアンケート
など、事務所の運用に合った方法を選びます。
質問項目を用意しておけば、依頼者も何を書けばよいのか分かりやすくなります。
一方で、感想をお願いしたからといって回答を強く求める必要はありません。
回答するかどうかや、ホームページへの掲載を認めるかどうかは、依頼者の意思を尊重することが大切です。
ホームページへ掲載する前に確認する
依頼者から感想をもらった場合でも、それをそのままホームページへ公開してよいとは限りません。
個人的な相談内容や会社の情報などが含まれている可能性もあります。
ホームページに掲載するのであれば、掲載してよい内容や範囲を依頼者に確認しておきましょう。
たとえば、
- 感想本文を掲載してよいか
- 氏名を掲載してよいか
- 会社名を掲載してよいか
- 写真を掲載してよいか
- 相談内容や依頼した業務を掲載してよいか
などです。
どこまで公開してよいのかを曖昧にせず、掲載前に確認しておくことが大切です。
POINT
お客様の声を受け取ったことと、ホームページへの掲載許可を得たことは同じではありません。公開する内容や氏名・会社名・写真などの掲載範囲を確認したうえで使用しましょう。
匿名で掲載する方法もある
氏名や会社名を公開したくない依頼者の場合は、匿名で掲載する方法もあります。
たとえば、
「神奈川県・建設業・40代」
「横浜市・法人のお客様」
「建設業許可をご依頼いただいたお客様」
など、本人を特定しにくい範囲で属性を掲載する方法です。
ただし、匿名にしたつもりでも、地域、業種、相談内容などを組み合わせることで本人や会社を推測できる場合があります。
特に特徴的な案件では、情報を詳しく掲載しすぎないよう注意が必要です。
どの情報まで掲載してよいのかは、依頼者と確認しながら決めるとよいでしょう。
お客様の声を都合よく作り変えない
依頼者からもらった文章が読みにくい場合には、誤字を修正したり、読みやすいように整えたりしたくなることがあります。
しかし、内容を大きく変更すると、実際に依頼者が伝えた感想とは異なるものになる可能性があります。
文章を編集する場合には、意味や評価を変えない範囲にとどめることが大切です。
大きく書き換える必要がある場合には、編集後の文章を依頼者に確認してもらう方法もあります。
また、実際には存在しないお客様の声を作成したり、依頼者が言っていない評価を付け加えたりすることは避けましょう。
お客様の声は、実際の依頼者の経験を伝えるための情報です。
良い評価だけを強調しすぎない
ホームページでは、事務所の良さを伝えたいと考えるのは自然なことです。
ただし、お客様の声を過度に演出したり、実際の感想以上に強い表現へ変更したりすると、かえって不自然に見えることがあります。
お客様の声では、派手な表現を作ることよりも、
「どのような相談だったのか」
「どのような対応を受けたのか」
「依頼者が実際にどう感じたのか」
が分かることを重視しましょう。
具体的な内容がある方が、これから同じような相談を考えている人にも参考になりやすくなります。
どこに掲載するかを考える
お客様の声は、専用ページを作ってまとめる方法もあれば、関連する業務ページに掲載する方法もあります。
たとえば建設業許可についての声であれば、建設業許可の業務ページ内に掲載すると、その業務について相談を検討している人が確認しやすくなります。
お客様の声が増えてきた場合には、専用の一覧ページを作り、それぞれの業務ページから関連する声へ案内する方法もあります。
掲載する数や内容に合わせて、利用者が必要なタイミングで確認しやすい場所を選びましょう。
開業直後でお客様の声がなくても問題ない
開業直後には、掲載できるお客様の声がないこともあります。
その場合に、無理にお客様の声を用意する必要はありません。
代わりに、
- プロフィールや経歴を詳しく掲載する
- 対応している業務を分かりやすく説明する
- 料金や依頼の流れを掲載する
- よくある質問を用意する
- 相談への考え方や対応方針を伝える
など、相談者が事務所について判断できる情報を充実させることができます。
実績がまだ少ない場合のホームページでの見せ方については、行政書士のホームページに実績はどう載せる?開業直後で実績が少ない場合も解説でも解説しています。
お客様の声は少しずつ追加していけばよい
お客様の声を掲載する場合でも、ホームページ公開時に多くの声を揃える必要はありません。
実際の依頼が増え、掲載許可を得られた声が集まった段階で少しずつ追加していくことができます。
数を増やすことだけを目的にするのではなく、異なる業務や相談内容など、これから依頼を考えている人の参考になる声を掲載していくとよいでしょう。
また、古い声だけが長期間掲載されている場合には、現在のサービス内容と大きな違いがないか確認することも大切です。
まとめ
行政書士のホームページにお客様の声は必須ではありませんが、相談先を検討している人にとって判断材料のひとつになります。
掲載する場合には、単に「良かった」という感想だけでなく、どのような相談をして、どのような対応を受けたのかが分かる内容にすると、これから相談する人にも伝わりやすくなります。
一方で、お客様の声には依頼者の情報が含まれることがあります。感想をもらっただけでそのまま公開するのではなく、掲載する内容や氏名、会社名、写真などについて事前に確認することが大切です。
開業直後でお客様の声がない場合にも、無理に作る必要はありません。まずは業務内容、料金、プロフィールなど、相談者が事務所を判断するために必要な情報を整えましょう。
実際の依頼が増えてきたら、掲載許可を得た声を少しずつ追加し、事務所での対応を具体的に知ってもらうための情報として活用していきましょう。